マーケティング施策としてLPを活用したリスティング広告やキャンペーン施策などの施策は細部まで設計し、確実に効果が出るプロセスを踏んで実行すると効果は絶大です。しかし、重要なポイントを見逃しなんとなくで施策をおこなうと効果は半減するどころか、施策の無駄打ちとなってしまいます。
今回はLP(ランディングページ)の基本的な考え方からLP制作を外部に依頼する前のチェックポイントと制作プロセスまで事例を交えて解説します。
LP(ランディングページ)の利用目的と定義について
そもそも、LP(ランディングページ)はなぜ必要なのでしょうか?
- 「聞いたことはあるけれど、ウェブサイトとどう違うのかわからない」方
- 「そもそも何を目的にLPを作るのかわからない」方
- 「過去にLPを制作して施策実行したけど効果が全く出なかった」方
のために、
おさらいも含めてLPの利用目的と定義についてみていきましょう。
LPとは何か?
LP(Landing Page=ランディングページ)とは、検索結果や広告を経由してユーザーが最初にアクセスするページのことをさします。しかし、マーケティング施策やプロモーション施策で使われているランディングページの定義は少し異なります。
マーケティングやプロモーション施策として使われているLPは、売り上げを拡大するためのプロセスの1つとして、お問い合わせや資料ダウンロードなどの「成果」を得るためだけに特化したWebページを指す意味として使われています。
このLPは他のページへのリンクが比較的少なく、1ページの中にコンテンツをまとめすぐにお問い合わせや資料ダウンロードしてもらうための導線が作られています。
お問い合わせや資料ダウンロードの「目的」に特化しているため、他のページへ遷移させない構成となっており、比較的縦長のレイアウトになっていることも特徴のひとつとなります。
また、ユーザーの目を引きつけるために、数値効果を大々的に魅せたり、インパクト重視のメインビジュアルやイメージを使用したりするため、極端にユーザーの興味関心を引きつける構成となっているのが大きな特徴です。
LP制作依頼について
マーケティング戦略や施策の対応で自社でのLP制作に時間がさけない場合、外部業者に依頼をし効率的に制作・運用を進めていくと良いでしょう。その際、短期間でより効果的なLPを制作するためには以下のポイントを必ず準備しておく必要があります。
マーケティングおよびPRにおける基本情報について
- LPの目的とゴールがどこか
- PRする製品・サービスの強み(PRポイント)
- 自社の競合がどこになるか
- ターゲット層
- LPの流入元をどこにするか(プロモーション方法と予算)
- 自社のダウンロード用製品・サービス資料
依頼前の準備について
- 制作予算
- LPの掲載場所(ドメインやサーバ)
- 製品・サービスのロゴ
- 導入企業ロゴ(導入実績がある場合)
- 実績数値(導入効果)
当社でもLP制作に関する相談を無料でうけておりますので、制作検討中の方はお気軽にご相談ください。
LPの利用目的について
LPの目的は売り上げに繋がるユーザーのCV(コンバージョン)獲得です。マーケティング分野ではWebサイトにおける最終的な成果をCVといいます。主にLPではユーザーからのお問い合わせや資料ダウンロードをさします。潜在顧客や顕在顧客のCV数やCV率を上げることにより売り上げを拡大することができるため、一般的にLPを利用した施策はとても有効な手段として考えられています。
LPを訪れるユーザーターゲットはGoogleやYahoo!などのリスティング広告からFacebook、Instagram、LINE、YoutubeなどのSNS関連広告、その他メディア媒体など流入元は発信している広告媒体によります。また、ユーザーの知識量や販売している商品・サービスへの関心度はさまざまです。潜在顧客・顕在顧客どちらのターゲットユーザーでも提供している商品・サービスへの知識を深め、興味関心を高めてもらえるようなページ構成にする必要があります。それではどのような構成が理想的なのでしょうか?
LPは1ページ内に必要な情報をわかりやすく集約されているページが理想的です。
理由としては、ユーザーは難しい情報やページ遷移を多く設けるとストレスを感じ離脱(ページを閉じる)する傾向にあります。結果としてCV数やCV率が低くなり、売上の低迷に影響することもあります。
ユーザーが関心度の低い状態や知識量の少ない状態でも徐々に興味関心をもってLPを読み込み「問い合わせをしてみよう!」「資料ダウンロードしてみよう!」と思うような構成にすることが理想的です。
知識のあるユーザーや興味関心が高いユーザーがすでに知っている情報を読んでもストレスを感じることは少ないです。一方で、もしユーザーが難しくて理解できない情報を読むとストレスを感じてしまします。LPを制作する際には、どのようなユーザーも理解できるような「誰でも違和感なく理解を深めてもらえる」構成・内容にすることがとても重要です。
LP制作を進めるためのプロセスとは?
狙ったターゲット層に対してリーチして効果を出すためには、緻密な設計をしたLPを準備することが大前提です。では、LPを制作していくには、どのようなプロセスで取り組んでいけば良いのでしょうか?
ここからは、具体的なLP制作のプロセスをご紹介します。
販売の戦略設計について
どの製品・サービスをPRして販売促進するか
LPを制作する前にまずどの製品・サービスを訴求して売り上げ向上を目指すのかを決める必要があります。販売するものが不明確や多数あるとユーザーは混乱し、LPのページから離脱してしまいます。訴求する製品またはサービスを1つに絞り明確にしましょう。
また、売り上げ目標に対してどの程度CV数やCV率を目指すのかの目標設定も重要です。なんとなくの目標数字や不可能な目標設定にするのではなく、市場を調査した上で現実的な目標を立てましょう。
PRするターゲットは誰か
訴求する製品・サービスが決まり目標が定ったら、次に誰に訴求するかのターゲットを明確化しましょう。基本的にはLPを利用した施策を打つ場合は、GoogleやYahooなどの検索エンジンやFaceBookやInstagram、LINE、YouTubeを利用するユーザーとなります。
どのようなユーザーが課題を持って検索するのか?
そのユーザーの状況や課題、これから求めるものを仮説立てし明確にしましょう。ペルソナ設定や既存顧客への調査をするのも良いでしょう。ターゲットユーザーを誘導し、CVさせるための明確な対象者をしっかりと決めましょう。
製品・サービスがどうユーザー課題を解決するか
何かしらの課題や興味関心を持ってユーザーは検索したり、広告表示されたりするLPを訪れます。LPをユーザーが訪れた際に、ユーザーの課題を解決するための情報を訴求しないとユーザーはすぐに離脱してしまいます。
製品やサービスを利用することで得られるメリットやベネフィットを示すことで興味関心を高め、最終的にはCVへとつながります。「製品やサービスを利用することによって、どのような未来になるのか」を鮮明なイメージができるような文言・構成・デザイン設計にする必要があります。そのため、既存ユーザーに聞き取り調査をおこないどのような文言が刺さるのかを調査・分析するのも良いでしょう。
たとえばBtoB製品やサービスの場合、メリットとベネフィットは以下のようになります。
メリット:その製品を使用することで楽に作業ができ、空いた時間他の業務に集中できる
ベネフィット:他の業務に集中することで、売り上げ向上に寄与でき目標達成・昇格できる
事例なので具体的ではありませんが、具体的なイメージが湧く内容やデザイン設計ができると良いでしょう。
PRしている製品・サービスを購入する理由
多くある製品・サービスの中から自社の製品・サービスを購入してもらうためのLP作りはとても重要です。自社のLPを通じて他の製品・サービスよりも優れている部分(オリジナリティ)を明確化して有益な情報と共に訴求することにより、ユーザーは興味関心をもち着実にCV数をかせぐことができます。ユーザーにとって価値のある情報を提供することにより、信頼を得てLPをしっかりと読んでもらうことができるのです。
LPを制作する際は「ユーザーにとっての自社の製品・サービスのオリジナリティ」を明確化しておきましょう。
コンテンツの整理とキャッチコピーや文章などのテキストの準備
LPを制作する際にどのようなキャッチコピーや文章を記載するのかを決める必要があります。内容が決まっていない状態でデザインなどを進めると訴求ポイントに一貫性がなく、内容がデザインに沿っただけのブレたLPになりかねません。そのため、LPに掲載する文章をすべて書き出しどのような表現方法で掲載するかを決めた上で、製品・サービスのロゴや写真、イラストなどの必要となるものを揃えていきましょう。
また、販売する製品・サービスの数値効果やユーザー事例・ユーザーの声は信ぴょう性を得る上で効果的です。数値効果やユーザー事例は準備する際に時間と手間がかかることがあるので、事前に準備しておきましょう。
事前の競合調査
LPを制作して運用をまわしていても、競合に潜在顧客や顕在顧客が流れていってはLPの効果も薄れてしまいます。購入を検討しているユーザーは事前に多数のサイトを調べて社内稟議を上げることが9割以上でしょう。競合サイトと自社製品・サービスを客観的に比較し、自社が優位になるようなLPを準備することが重要です。
また、競合調査をしていくうちに似通ったLPが多数出てくることもあるでしょう。他製品よりあたまひとつ飛び出た製品・サービスでないと購入されないということも意識した上でより良いLP制作を心がけましょう。
流入元の調査と分析
どれだけ時間とお金を費やして良いLPを制作し公開しても、ユーザーの流入経路を準備しておかないと残念ながらLPの効果は全く効果は出ません。事前に流入経路を調査しどれくらいの流入数が見込まれるのかを調査しておく必要があります。たとえば、リスティング広告の場合は一般的に使われているキーワードプランナーで初心者であれば十分でしょう。検索するキーワード(単語やフレーズ)を調査し、どの程度のボリュームゾーンでどの程度の金額がかかるのかを事前に把握しておきましょう。この時点ではざっくりでも良いので把握しておくことが重要です。
LPのデザイン(UI・UX)設計
潜在顧客・顕在顧客(ユーザー)の理解
LPの制作を進める上で忘れていけないのが顧客視点です。ユーザーがどんな心理状態でLPを読み進め、問い合わせや資料ダウンロードのCVまで至るのかを顧客視点で考える必要があります。ターゲットにより、フォントデザインや文章のトンマナをそろえることでLPを訪れた潜在顧客や顕在顧客に不快感を与えないことが重要です。文章の語尾やテンション、フォントのイメージで違和感や不快感を与えると本当にその製品・サービスを利用して良いか不安になります。
たとえば、極端ですがBtoBの製品・サービスなのに「この製品買っていきなよ〜!(@.@)/」 のような顔文字や!マークなどの多様する表現を目的もなく使うと潜在顧客や顕在顧客に違和感や不信感を与えてしまいます。ターゲットが誰なのか?どのような表現が違和感なくLPを読んで理解してもらえるのかを、しっかりと顧客視点で考えフォントやデザイン色、文章のトンマナを決めていきましょう。
CV(コンバージョン)ポイントの設計
LPのCV設計は効果を出す上でとても重要です。初心者の方でよく失敗するのが問い合わせのCVのみを設置してCVがなかなか上がらないと悩んでいる方です。以前説明しましたが、LPには潜在層から顕在層までさまざまなユーザーがLPを訪れます。もちろんその中には問い合わせするまでには至ってないけれど、製品やサービスの資料は欲しいという層も多くいます。必ず初めは問い合わせと資料ダウンロードのCVを準備するようにしましょう。
また、CV先のエントリーフォームも最初のうちは入力項目をなるべく減らすことで入力の障壁を下げることも検討すると良いでしょう。たとえば、問い合わせや資料ダウンロードに20項目も入力しないといけないとなると、問い合わせや資料ダウンロードする気が失せてしまします。まずは10項目弱程度でエントリーフォームを準備することをおすすめします。
ワイヤーフレーム設計・制作
ワイヤーフレームとはWebページのレイアウトを定めるための簡易的な設計図のことをさします。事前に準備した文章をどこにどのように差し込むのかや図や写真をどのタイミングでみせるのかを決めるための、デザインに入る前段階の下地となります。
制作に関わる関係者がこのワイヤーフレームみて内容や設計が問題ないか把握した上でデザイン制作に入ります。ワイヤーフレームなしでいきなりデザイン制作となると、想定外のLPデザインが出てくる場合もあります。また、デザイナーは制作したので修正となると別途費用がかかるとなると大問題になりかねません。そのため、事前すり合わせとしてワイヤーフレームで事前に関係者に確認した上でデザイン制作に入ることが必要となります。
デザイン制作
ワイヤーフレームが設計できたら次はデザイン制作となります。ロゴやサービスイメージに合わせた装飾やイメージ挿入をしていきます。ここで注意すべきはデザインの目的を忘れないことです。おしゃれなデザインでもCVに繋がらないと意味がありません。個人的な好みやおしゃれなデザインを意識するあまり目的に全く沿わないLPにならないように注意しましょう。あくまでもユーザーの行動を考え抜いたデザインを考える必要があります。
LPO(Landing Page Optimization=ランディングページ最適化)とは
LPOとはランディングページ最適化と訳されており、LPの直帰率を下げたり、滞在時間を伸ばしたり、CVR(コンバージョンレート=成約率)を上げるための施策を主に指します。具体的にどのようなことを実施していくのでしょうか?
LPを訪れるユーザーはさまざまです。しかし、掲載内容は大衆を狙うあまり一般的になりがちです。そこでLPOの出番となるのです。LPの特徴としていくつもページを準備でき検証・改善を他の施策より比較的早くまわすことができます。効果の上がるLPを「チャンピオンページ」と呼びさまざまなLPの検証の中でこの「チャンピオンページ」がどれかを把握できるようにしましょう。そのためにはキャッチコピーや文章の表現方法、ファーストビューのイメージ、CVボタン設置箇所などを調整し、よりターゲットユーザー層に適したLPにパーソナライズしていきます。
SEOに効果的なコーディング
LPは検索順位に関係ないからLP制作にSEOは関係ないのでは?
と思った方もいるのではないでしょうか。コーディングの仕方によっては表示速度が遅くなったり、各タグに必要な情報を入れていないとユーザビリティが悪くクリック率が落ちるなどの影響をうける可能性もあります。LPだからといってタグの記載や埋め込みやSEOに準拠したコーディング作業を怠らないようにしましょう。
LPの実装について
コーディングができたら実際に実装・確認作業に入ります。実装段階で予想もしなかった箇所の表示の問題が出てくることもありますので、必ずこのフェーズで細かな箇所までチェックするようにしましょう。
各ブラウザやデバイスのUI/UXの確認
制作過程でどれだけ良いものができていても、ユーザーのコンタクトポイントで伝えたいメッセージやユーザー体験を届けられていなければこれまで準備してきた努力はゼロになります。
近年、BtoB業界でもPCのみを使うことは非常に少なくなりPCやタブレット、モバイルなど複数を利用するビジネスマンが増えてきています。2021年1月のStatCounter Desktop vs Mobile vs Tablet利用率調査によるとデスクトップ(49.0%)、モバイル(47.5%)、タブレット(3.6%)となっています。(参照:StatCounter)
各デバイスでのユーザビリティの検証をしっかりとおこないましょう。iPhone、Androidのデバイス確認はもちろんのこと、大画面モニタ、PCサイズモニタ、タブレット画面、モバイル画面のレスポンシブ確認も忘れずにチェックしましょう。
また、ブラウザも確認する必要があります。2021年1月のStatCounterブラウザ利用率調査によると1位:Google Chrome(46.0%)、2位:Safari(34.5%)、3位:Microsoft Edge(7.4%)、4位:IE(3.6%)、5位:Firefox(3.6%)となっています。(参照:StatCounter)すべて確認するのは難しいので、シェア率にもよりますがTOP3のブラウザは確認しておくと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はLPの基本的な情報から外部依頼の前にチェックしておくべきポイント、LP制作の流れについて詳しくみていきました。LP制作は事前準備からキャッチフレーズやタグラインの設定、UI設計、CV設計など細かい箇所をおさえPDCAをまわすことでLP効果の最大化がねらえます。
制作のリソース不足でお困りのかたはぜひ以下からお気軽にご相談ください。